過剰摂取には注意

様々なメディアや口コミにて、「大豆イソフラボン」の健康効果が注目を集めています。
イソフラボンというのは女性ホルモンのエストロゲンに非常に良く似た構造をしており、美容効果も高いといわれています。
また、活性酸素を除去する効果により、抗酸化作用があることから、がんの発生を抑制なども期待されています。
女性ホルモン様の機能があることから、数々の更年期障害の症状緩和に、効果があるとされています。

一見、取れば取るほど、身体によいように思われますが、その性質ゆえに、イソフラボンの過剰摂取による危険性もあるといわれています。
食品安全委員会が昨年まとめた「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」では、1日の上限を決めています。
ヨーロッパ、フランス、イタリアなどでも、一日80mgを超えない程度と上限を決めています。
大豆イソフラボンのみを過剰摂取すると、女性のもつ本来のホルモンバランスが崩れ、むしろ不調を招く可能性があることです。

また、月経の周期の乱れや、子宮内膜症や、子宮筋腫、ホルモン受容性のある乳がんを誘発する可能性があることなどが背景にあります。
AHRQ(米国医療研究・品質調査機構)では、大豆および大豆イソフラボンの効果について検討した結果、明確な効果は実証されていないと結論づけています。
とはいえ、日本人にとっては、大豆および大豆の加工食品は昔から食べられてきた、いわば国民食ともいえるもので、良質な蛋白源としても、信頼のおけるものです。

大豆には、イソフラボン意外にも、アルコールの分解を促進する大豆ペプチドや不飽和脂肪酸などもふくまれております。
通常の食生活で摂取する分には、むしろ健康によいとされる意見が大半です。
栄養とはそもそも、なにかひとつを突出して摂りすぎることは、健康を害するといわれています。
バランスよく、色々な食物をとり、適度な運動と適切な睡眠習慣が、大切といえます。