アグリコン型のイソフラボン

近年、植物中に存在する天然の化学物質で、生命維持に必要な栄養素ではないが、健康によい影響を与える化合物が注目されています。
フィトケミカルとよばれています。

その代表がポリフェノールです。
赤ワインなどのポリフェノールが良く知られています。
ポリフェノールは、樹皮や果物の皮などによく含まれる、苦味の成分で、植物の色素の部分に多く含まれているといわれています。
その種類は実に多岐にわたります。300種類ほどが確認されています。

女性ホルモンに似た働きをすると、その健康効果が知られつつある、大豆イソフラボンもポリフェノールの一種です。
大豆の芽の部分、胚軸と呼ばれる箇所に多く含まれる、フラボノイドです。
正確には、3フェニルクロモンといいます。化学式はC15H10O2と表記されます。

イソフラボンにも色々な種類がありますが、ゲニステインは最もしられているイソフラボンのひとつです。
大豆だけでなく、ルピナス属、ソラマメ、コーヒーなどにも含まれています。
その中でも特に、大豆イソフラボンの健康効果が知られています。

抗酸化作用があり、体内の活性酸素を除去して免疫力をあげたり、血中コレステロール値をコントロールする効果があります。
若返りや、動脈硬化、乳がんの予防にも効果が期待されています。

大豆イソフラボンには、糖がついている「グリコシド型」と糖が外されている「アグリコン型」の2種類がしられています。
アグリコン型のイソフラボンはグルコシド型に比べて分子量の小さなイソフラボンです。
このふたつの違いは、糖がついているかどうかということだけですが、それが身体への吸収率を大きく左右します。

アグリコン型は、胃からすばやく吸収できるのが特徴です。糖がついているグリコシド型のイソフラボンは、腸内で酵素の働きにより、糖を外す必要があります。
そのため、胃腸の調子が悪いときは、うまく吸収されず、排出されてしまう可能性もあります。

発酵工程を経て糖がはずされたアグリコン型イソフラボンの形になっています。
大豆の発酵食品は、麹菌で発酵させた醤油・味噌、また蒸した大豆を納豆菌で発酵させると納豆になります。